Kynar® 樹脂 - 化学物質および燃料に対する耐性

Kynar® PVDFの耐薬品性

Kynar® PVDF樹脂は広範な化学物質に対して耐薬品性を持ちます。大半の酸および酸混合物、弱塩基、ハロゲン、ハロゲン系溶剤、炭化水素、アルコール、塩、酸化剤は、Kynar® PVDFにほとんど影響を与えません。常温で、Kynar® PVDFホモポリマーは通常、pH 12までの薬品に耐性があります。Kynar Flex® コポリマーは通常、pH 13.5までの化学物質に耐性があります。

耐薬品性に影響する要因

実験室と実験用ガラス製品

多くの要因が材料の耐薬品性に影響を及ぼす可能性があります。要因には、曝露時間、化学物質の濃度、極端な温度や圧力、温度および圧力サイクルの頻度、研磨粒子による摩耗、 加えられる機械的応力の種類が含まれますが、これらに限定されません。化学物質の暴露と機械的負荷の特定の組合せにより、金属および非金属両方の多くの耐薬品性材料に応力割れが生じるという事実は、特に重要です。一般的に、Kynar® 樹脂は分子量分布が広範囲なため、応力割れに対する耐性が高くなります。

 

透過性や接着性などの要因は、Kynar® PVDFコーティングの耐薬品性に影響を及ばします。その結果、溶融加工されたKynar® 樹脂とコーティングの特性がまったく同じではないことがあります。分散塗布またはパウダーコーティングの最高使用温度は100℃(212℉)を超えてはなりません。しかし、耐薬品性が十分であれば、ラミネートされたシステムは120~135℃(248~275℉)で使用できます。

動作パラメーター

動作パラメーターは、Kynar® 樹脂の特定の用途に依存し、実験室での試験や一見類似した現場使用で経験されるものとは異なります。腐食性の流体や蒸気は多くの場合、さまざまな化学物質の混合物であるため、実際の使用条件下で試験評価することを強く推奨します。例えば、特定の動作温度でKynar® 樹脂を個々の化学物質に浸漬して試験した場合、個々の化学物質間で発熱反応にさらしたときのKynar® PVDF製部品の性能が必ずしも予測されるとはかぎりません。

 

 

93℃(200℉)におけるKynar® ホモポリマー樹脂と他のよく知られたプラスチックの耐薬品性

Kynar®ホモポリマー樹脂 耐薬品性グラフ

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Kynar® フッ素ポリマーの耐薬品性を左側の図に示します。この図では、93℃(200°F)で9つの一般的な化学種に暴露されたKynar® ホモポリマー樹脂の挙動と、他のよく知られたプラスチックの挙動を比較しています。評価方式は、円の一番外側の「許容できない激しい侵食」から、中央の「優れている(不活性)」までです。

 

ご希望に応じ、Kynar® 樹脂に関するアルファベット順の化学物質、およびそれらの最高使用温度のリストをフッ素ポリマー事業部から入手も可能です。さらに、短期の排水管用途についての耐薬品性ガイドも入手可能です。化学用途は複雑ですので、ここで提供する情報は一般的なガイドラインと考えてください。詳細はテクニカルサービス担当者にお問い合わせください。

 

Kynar® 樹脂の耐薬品性評価は、最悪のシナリオを想定した長期浸漬に基づいています。

石油・オフショア (海洋開発)の用途

夕暮れの海洋石油掘削プラットフォーム

Kynar®およびKynar Flex®樹脂は、石油やガスの探査と生産から輸送と流通まで、石油サプライチェーン全体に沿って使用されています。例として、海洋探査用の軟質パイプおよびアンビリカル、天然ガス流通用のパイプ、ガソリンスタンドの地下パイプ、 トラックや自動車の燃料ラインなどが挙げられます。

 

燃料供給系における金属の耐腐食性を向上させることに加えて、Kynar®およびKynar Flex® 樹脂は、一般的に使用されているプラスチックの中で最も幅広く、燃料供給系に対応しています。多くの従来の材料は新しい燃料や混合燃料に適していません。Kynar® およびKynar Flex® 樹脂を使用すれば、ガソリン/MTBE混合、ガソリン/エタノール混合、ディーゼル/バイオディーゼル混合のような侵食性のある混合燃料も扱うことができます。

透過性と引張強度の保持

tensile strength testing machine

Kynar® およびKynar Flex® 樹脂は、ほとんどの燃料に対して低透過性を示すと同時に、良好な寸法安定性と低い重量増加が実証されています。Kynar® 樹脂は燃料供給系でその物理的特性を保持し、寿命期間は他の材料と比較して長期です。

 

右側の表は、Kynar® およびKynar Flex® をさまざまな燃料に6か月暴露した後でも、それらの引張強度が維持されていることを示しています。接着グレードのKynar® は燃料供給系用の多層構造を可能にします。その構造では、Kynar® 樹脂をバリア層として使用し、PE、PP、TPU、TPE、ゴム、金属などの他の材料と接着します。

40℃の燃料に6か月間暴露した後のKynar ®の引張強度保持パーセント:

 

燃料種類

KYNAR® 740

KYNAR FLEX® 2850

KYNAR FLEX® 2800

C

110.7

107.8

104.4

CE10a

97.8

94.6

91.0

CE85a

99.4

98.2

99.2

B20

115.5

114.2

117.9

 

- 燃料Cはトルエンとイソオクタンの50/50混合物です
- 燃料CE10aはエタノールを10%含有しています
- 燃料CE85aはエタノールを85%含有しています
- B20はバイオディーゼル燃料が20%です
- 名前の末尾の「a」は、過酸化物イオンや銅イオンが含まれた侵食性のある燃料を示します

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